ギャラリーに「シートン動物記(1995)」を連載中です。
1: 「シートン動物記(1995)」
☞ギャラリー[テレビ作品]>[シートン動物記]>「Ⅳ:名犬ビンゴ」に追加展示。
今回8点の掲載です。
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2: マダラガガンボの一種
低山の雑木林で見かける最大のミカドガガンボがファミレスの駐車場に!
何しろ体長40mm。手元の標本でも、羽を広げた開張90mm超、前~後脚端170mmと幅をとるので持ち帰りませんでした。が、、、写真の斑紋を見ると、これはただの巨大なマダラガガンボ? 1世紀にわたって用いられてきたこの和名に、実は2種あったといいますから、念のため持ち帰るとか、せめてスケール付きで撮影すべきでしたね。
(4月中旬、東京都小平市)
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3: アオスジアゲハ
足掛け30年にわたる広い月極駐車場を引っ越しました。ギンヤンマが悠然とパトロールする光景とはお別れですが、手狭でまだ少し冷たい風のなか、このチョウが迎えてくれました。
(4月下旬、東京都西東京市)
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4: ハラグロオオテントウ
うどん屋さんの駐車場にて。隣接する遊歩道の樹木で、赤いブローチが目に留まりました。初めて見る大形テントウです。体長12mmとナナホシテントウの1.5倍あります。文字通り腹側が黒く、横から見ると三角形。クワの大害虫クワキジラミを捕食する益虫で、近年関東まで北上中とのことです。持ち帰った個体は数日後、容器内に産卵しました。
(5月上旬、東京都小平市)
キョウチクトウスズメのこと
1:キョウチクトウスズメ 終令幼虫
これは去年のお話です。市街地で、フェンスに絡む丸坊主のつる植物に足を止めました。直下には大量のイモムシの糞がこぼれ落ちています。下草をかき分けると、スズメガ類の終令幼虫が3頭見つかりました。刺激に反応して胸部の青白い目玉模様を現します。いずれも残りわずかな葉や茎をかじるか、しがみつき、または途方に暮れているようでした。写真で検索すると“キョウチクトウスズメ”が候補に・・・あの、長年図鑑にも載っていなかった幻のスズメガが東京に?ここ、キョウチクトウなんて生えてないのに?
(2023年、以下同。10月下旬、東京都練馬区)
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2:巣内の蛹、ツルニチニチソウ
翌日、ケータイのトップ画面に北國新聞報「ミスジビロードスズメ」(箱根町)幼虫の写真が。ハッとするも別種。残念の逆で、謎の幼虫がキョウチクの可能性に一歩、またその食草(食樹)がツルニチニチソウの可能性も・・・さてさて二日後に再訪し、幼虫6頭とわずかな葉をカップ麵の空き容器で持ち帰り飼育開始。庭のテイカカズラの葉を与えてみたが口にしてもらえず。それでも、なけなしの葉とキッチンペーパーとを糸でつづり、粗末なテントの巣内で次々と蛹になりました。後日、ツルニチニチソウはホームセンターで安く売っていること、近所でも普通に植栽されていることが分かりました。
(蛹=11月上旬、都内西東京市宅。食樹=12月上旬、同東久留米市)
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3:羽化成虫1号
ほんとにキョウチクトウスズメになった! わりとコンパクト。
(11月下旬、西東京市宅)
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4:羽化成虫5,6号
朝、羽化間もない新成虫を眺めていると、隣では数分前まで蛹だったのがせわしなく歩き回っているではありませんか!まったく蛹や巣から脱出する瞬間たるや、日夜抱いて寝ずんば目撃がかないません。腹部の半分ほどの短翅をまとって必死に止まり場を探したあげく、セットしておいたコルク板に登って静止しました。そこでゆっくりと羽を伸ばしながら手足を動かし口吻を整えたりしています。家人いわく「でも標本になるんでしょ?」 って、このまま冬は越せないし、コルク板が展足板に見えないでもありません。
(12月上旬、同上)
睦月
1:ガビチョウ
埼玉県に隣接する丘陵地で。4羽余りの小群が、干上がった沼と隣接斜面とで見られました。せっせと落ち葉をはねあげて索餌する姿は地味でも、白い眉斑は遠目にも明瞭。「ガビ」は“蛾眉”とばかり思い込んでいましたが“画眉”と知りました。YouTube動画でも鳴き声を確認し、あぁ、あの声の主であったかと合点がゆきました。
(1月下旬、東京都武蔵村山市。以下同)
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2:ナラ枯れ
遊歩道を進み始めるや、一本のコナラのてっぺんに目が留まりました。大きな枯れ枝が掛かって落ちずにいるのがどうにも不自然でした。すると目先の分岐点に黄色の規制テープが張られ「ナラ枯れのため封鎖中」との表示を発見。これが「ナラ枯れ」かと。カシナガ(カシノナガキクイムシ)なる小甲虫が自らの食料源ともなるナラ菌を媒介し、ブナ科樹木を枯らしてしまうことです。さらに行く先々で、狙い撃ちされたようにコナラばかりの枯死木が続きます。三年見ぬ間の異変。見えざる生物たちの生存戦略による脅威を思い知りました。
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3:スズメバチの巣
葉を落としたコナラの大木のずっと高いところに、こぶ状の塊が。写真を拡大してみてビックリ!キイロスズメバチの廃巣のようです。長径35-40cmほどもありそうでした。
イラスト ちょっとだけ改変しました。
1: 展示中の教科書所載の作品ですが、令和6年度以降用の見本本が届きましたので、改変版に更新しました。
☞ギャラリー[昆虫全般]>「昆虫のすみか – 校庭」
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2:練馬区立牧野記念庭園
NHKの朝ドラ「らんまん」終了を機に、隣町での企画展に足を運びました。牧野富太郎博士の胸像前には壽衛(すえ)夫人の名を冠したスエコザサが繁茂していました(「タケノホソクロバの毛虫に注意」書きあり)。夫人を演じた浜辺美波さんのことは、かつてNラジ第2で(英単語の波を~)「乗りこなしぇー!」なんてお声でしか知らなかったのですが、映像でも眩しかったです。(10月上旬、東京都練馬区)
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3:『繇條書屋』(ようじょうしょおく)
企画展最終日を翌日にひかえ大変な賑わい。私は記念館ではなく、この春に再現されたという書斎への行列の最後尾につきました。30分ぞろぞろ歩き、書斎は立ち止まらず5分で通過。帰宅後にじっくり写真の中で蔵書を見回すと、我が家にも似たようなものもあったりで親しみや温もりを感じました。(同上)
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4:図鑑類
「らんまん」の番組中しばしば出てきた「牧野日本植物図鑑」(1940年刊)。私が植物の初仕事を完了した翌1977年、復刻版(写真中央)が刊行されると知り予約注文しました。同3月にそれは届きました。わくわくドキドキ本を開くと...あー こんなこと言っていいのだろうか、数ページまっさらが続くという残念な「落丁」なのでした。版元にその旨を伝えると、ほどなくご高齢の方(今の私くらい?)が代替品を届けてくれました。“近いから自転車で来ちゃった”とお隣の板橋区からだったかなぁ、穏やかな笑顔が今も思い起こされるのです。軽便な「学生版」(写真左)も以前から愛用していました。それにしても「日本植物図鑑」(1927年刊、写真右)にもどこにも「スエコザサ」の項目が見当たりません。(11月中旬、東京都西東京市宅)