甲虫–カブトムシ
世界のカブトムシ (2001 幅45cm)
Rhinoceros beetles of the world
画面、左から。交尾中のノコギリタテヅノカブト。メスは無心に竹を食べています(中米)。
樹液をめざし、ダイナミックに飛ぶ昆虫王、ヘラクレスオオカブト(北・南米)。
竹で満腹、飛び立つゴホンヅノカブト(東南アジア)。
樹上では餌場をめぐって大ゲンカ!重量級のゾウカブト(中米)と力自慢のコー カサスオオカブト(東南アジア)。
片隅で樹液を吸っているのは、ヘラクレスオオカブトのメスです。
地中、左から。ネプチューンオオカブトの産卵、幼虫、蛹、地上に現れたオス。 ヘラクレスに引けを取らない屈強者(中米)。落枝にぐいと足をかければ・・・・・
オオツノコブサイカブト(東南アジア)は空中回転!
——————————————————————————————————————————————————
カブトムシの排泄(はいせつ) (1996 幅43cm)
Japanese rhinoceros beetle_ Excretion
——————————————————————————————————————————————————
カブトムシ 3/3 昆虫酒場 (1994 幅42cm)
*****
カブトムシ 2/3 樹液をめざして飛ぶ (1994 幅42cm)
*****
カブトムシ 1/3 地上に出る (1994 幅42cm)
Trypoxylus dichotomus / Japanese rhinoceros beetle
——————————————————————————————————————————————————
ヘラクレス vs. コーカサスオオカブト (1990 幅60cm)
ヘラクレスオオカブト:Dynastes hercules/Hercules beetle
コーカサスオオカブト(キロンオオカブト):Chalcosoma chiron/Caucasus beetle
1991年、「ゆめの対決・・・最強コーカサス VS.最大ヘラクレス」のキャッチフレーズで、この絵が掲載されました。
生息地を遠く異にする両雄が相まみえなば、の仮想シーンです。観音開き3ページで横長の作品です。
コーカサスは、予算がつき、購入した標本を軟化してポーズをつけました。
ヘラクレスは、やはり以前買っていただいた展翅標本しか手元になく、標本商さんのご厚意でお借りした標本を撮影し、表情を工夫しました。
・・・・・・あれから16年。ペットの輸入自由化により、なんでもマネー、そこいらで安売り商品が入手できます。
あの、「ゆめの対決」は、なんなく具現・ショー化されて、ゆめは遠のいた思いです。
——————————————————————————————————————————————————
ヘラクレスオオカブト (1988)
Dynastes hercules/Hercules beetle
♂の全長 ~180mm。中南米に生息。
威勢のよさを第一義に、標本にもポーズをとってもらいました。といっても、この クラスの虫は体が厚く、標本箱内ではベチャッとひれ伏しています。
そのため、 この絵のような立ち姿勢のイメージを構築するためには、全方向からの3D的 観察が不可欠です。
カッコよさを演出するために、ツノの開き具合も誇張したと 思います。
じっさいにツノを動かして、欲しい角度の虚実ぎりぎりに描いたかと 記憶しますが、いまメモは見当たりません。
——————————————————————————————————————————————————
カブトムシ 正面 (1981 高さ28cm)
Trypoxylus dichotomus / Japanese rhinoceros beetle
埼玉県で1年間暮らしたことがあり、自宅の畑で採集したこのカブトムシは、じつに堂々とした体格をしていました。
翌年この標本とにらめっこしながら作画に取り組みました。ふつうに背面から光をあてると、腹面は暗くなってパーツがよく見えませんね。
白い発泡スチロールに止まらせて、ポケット型の懐中電灯で照らせば細部も観察できるのですが、
こんどは背・腹の両側に照明をあてることで立体感が失われるため、かねあいが難しいところでした。
けれども、最もつらいのは眼のピント合わせ。角の先端から尻先まで合焦移動を繰り返さなければなりません。
下絵でも着彩でも(このときは11日間でした)。2014年現在、近視+老眼のこんにちでは、もうとてもです。
のちに、大手スーパー内で巨大なポスターを見かけたのですが、もらっておけばよかったなー。
——————————————————————————————————————————————————
ヘラクレスオオカブト (1981 幅50cm)
Dynastes hercules/Hercules beetle
「ヘラクレスの図解を、飛んでるポーズで。」との依頼をうけました。
なぜ日本のカブトムシでなく、いきなりヘラクレスなの?と唐突の感もありました。
ともあれ、うれしい予算がついたので、標本商さんに展翅してもらい購入しました。もう大迫力にドキドキです。
それをもとに、図解のうえで譲れないポイントをふまえたアングルと、より自然なポーズで構築してみました。
当時の昆虫図鑑で、ヘラクレスとがっぷり四つに組んだ作例はほかに見ませんでした。
絵の出来栄えはともかく、○年以上を経てなお、この標本と向き合うたび、つい溜息が出てしまう逸材なのです。