バッタ
エンマコオロギ ~鳴き~ (2003 幅50cm)
Teleogryllus emma / emma field cricket
バッタの耳は横腹にあり、キリギリスやコオロギでは前足のすねにあることは、古くから知られていました。
のみならず、胸の気門から入った音が、気管(図のマカロニ状の管)を通して、
すねの鼓膜(白い卵形の部分)に伝えられている仕組みも近年わかってきました。
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ファクスで受け取ったギザギザの資料に、“ほぇーっ!” っと感銘を受け、しびれました。
鳴き姿の標本が手元になく、大急ぎでポーズをこしらえ、ヘアドライヤーで熱風をあてたため、
前羽が筒状にカールしてしまいました。それをピンセットで広げながらのキツい作画でした。
オスが前羽を持ち上げ、ヤスリをこすりあわせて発音することは周知のとおり。
さて、腹端に生ずる一対の尾毛を観察していて、おや?と思ったことがあります。
その基部に意味不明の粒粒。ゴミやカビかと、他の数体をしらべたら、やっぱり付いていました。
空気の振動を感知するアンテナの一部だろうかと、しっかり描きとめておきました。
鳴きパターン
左:「本鳴き」 中:「誘い鳴き」 右:「争い鳴き」
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センストビナナフシ ~威嚇~(2003 幅36cm)
Tagesoidea nigrofasciata / Yellow Umbrella Stick Insect ~menacing~
マレーシア産の標本をもとに、体色を生時に近く、「翅(はね)を広げて威嚇する」ポーズに仕立てました。顔の下→背中→しっぽの下と、標本をひっくり返しながら、一本につなげて描きました。
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秋の鳴く虫 11種 (1989 幅43cm)
おおむね左から:カネタタキ、マツムシ、エンマコオロギ、セスジツユムシ、キリギリス、スズムシ、ツヅレサセコオロギ、クツワムシ、ヤブキリ、カンタン、ウマオイ
すべて、オスです。
夜空だけ、慣れないエアブラシを使用してみました。
塗りムラがなく、すっきりしているものの、単調で硬さが否めません。
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秋の鳴く虫 17種 (1983 幅50cm)
おおむね左から:マダラスズ、シバスズ、カネタタキ、クサヒバリ、エンマコオロギ、ツヅレサセコオロギ、ミツカドコオロギ、クビキリギス、カヤキリ、セスジツユムシ、キリギリス、スズムシ、マツムシ、ウマオイ、アオマツムシ、カンタン、クツワムシ。
すべて、オスです。
敬愛する編集者H.Kさんが撮影した、貴重な昆虫写真をたくさん採り入れて制作しました。
いちばん高い茎に止まっているクビキリギスの羽の基部を、納品直前に枯葉で隠しました。
理由は、左右反転して配置したものの、発音するオスの羽は<キリギリス類では左羽が上、コオロギ類では右羽が上>が鉄則だからです。
ヒヤリとしたものです・・・
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秋の鳴く虫 8種 (1983 幅36cm)
ごちゃごちゃして見づらいですね。声はよく通るのに見つけにくいという設定で描いています。
おおむね左から:マツムシ、エンマコオロギ、スズムシ、ショウリョウバッタ、ウマオイ、セスジツユムシ、キリギリス、クツワムシ。
すべて、オスです。