マツヨイグサとガ
夏の宵、大きく開いたオオマツヨイグサの花を、ベニスズメというガが訪れました。
高速で羽ばたきながら、長い口を伸ばして、奥深い蜜を吸っています。
8本のおしべから出ている花粉は、粘着糸によってつながり、ガの体にまとわりついて別の株へと運ばれ受粉されます。
ガの体下に4本指のように突き出ているのが、めしべの先端。
ベニスズメの幼虫はまた、この葉を食べて育つことで、強い相互依存の関係がうかがえます。
この絵を制作した当時は、撮影用のストロボさえなく、懐中電灯で目視のみという状況でした。
この花、近年はとんと見かけなくなりました。かわりに同じグループで小型のマツヨイグサ、コマツヨイグサ、
さらに華やかで可憐なヒルザキツキミソウやユウゲショウなどが、散歩道でにわかに増えたように思われます。
原画のバックは白地なのですが、イメージで暗い藍を配してみました。(2011/7月中旬記)
●絵とは別種のマツヨイグサですが、花粉が糸でつづられている様子をご覧いただけるでしょうか?
(2010/5月中旬 市内)
●ベニスズメ。夕暮れの畑。キャベツの葉うらで飛び立ちの時を待っているようでした。
家の周辺でも目撃する機会が増えている気がします。
(2003/5月下旬 市内)