カモ
カルガモの親子 (1997)
軽鴨 Anas poecilorhyncha/Spotbill duck
13年間、ともに暮らしたアヒルを想いつつ。
カモたちを眺め、描くとき、声や手触りなどが蘇ってきます。
カルガモの親子 (1993 幅42cm)
1980年代、都心での親子の引っ越し報道をきっかけに、一大フィーバーが巻き起こりましたね。
毎年、「ことしのヒナは何羽?」って数えてしまいます。
“乱暴者のワン公が来たわよ。 みんな急いで!”
絵の中では、憎まれ役を愛犬がつとめました。
冬のカモ (1982 幅52cm) Duck
「きたの くにから ようこそ」 のタイトルで掲載された、ガンカモ類の生態画です。
左の2羽は、“水面採餌(さいじ)ガモ”の代表選手マガモです。地味なメスのほうは 、我が家のメスアヒルをモデルとしましたが、やっぱりアヒルっぽくなってしまいました。
オス(俗称“アオクビ”)は、逆立ち姿勢でジャボジャボと足で水をかきな がら水底の植物を食べています。
さて、“水中採餌ガモ”、栗色頭のホシハジロは、完全潜水をし、水底の2枚貝を採っ ています。脚が体の後方についているのも潜水ガモの特徴です。
当時、資料は洋書の1図 版のみで、半信半疑で描きました。
垂直に飛び上がるコガモのオス。以上の3種は山科鳥類研究所において、2日がかり で剥製の撮影とスケッチをさせていただきました。
右端の2羽はオナガガモ。左奥の黒白集団はキンクロハジロです。
オオハクチョウは力強く水面を蹴って離水し、マガンはカギ形の隊列飛行で空中を横 切っていきます。
まずはこの目で!
編集長さんが予算をつけてくれたので、26000円のところ→ 特価20000円の水槽を用意。これを縁側に置き、アヒルを浮 かべ、キンギョとタナゴを放って実験開始です。
大型の水 槽とはいえ、この程度の深さでは逆立ちするまでもなく、 嘴は水底にとどいてしまいます。また、てっぺん中央には 補強用のしきり板があって、窮屈そうです。それでも日頃 のドジョウとはちがった珍魚に発奮して幾度もトライしてく れました。めまぐるしい動きのなかで、目の瞬膜のようすも 観察できました。
この日は、弟分ヒナにも初水泳にチャレン ジしてもらいました。こちらも大発奮で魚をあさり、脚をフル 回転するのですが、うぶ毛が水をふくんでしだいに水没し てゆくのでした。でももっとも驚いたのは、このヒナが一丁 前に成長したある日、突如庭の池でバタつき、完全潜水で 水中をぐるぐる回ってみせたことでした。