ギャラリー[植物]> [花と昆虫]に、「キバナアキギリとハチ」を展示いたしました。

●皆さんにとって、どんな夏でしたか?

8月も終わるころ、ようやく終日晴天の予報が出されました。

今夏の最初で最後とばかり、早起きして、また埼玉県秩父地方に向かいました。

●残暑もきつい上り坂で、さっそく出迎えてくれたのがオオムラサキ。しばし旋回を繰り返してのち、食樹エノキ近くのこずえに止まりました。「国蝶」としてあまりに有名なわりに、私はこれまで採集したことがありません。

捕虫網も届かない高い所でゆったりと羽を開閉しています。写真にもポツンと豆粒大に映っているだけで、拡大してみても性別すらわかりません。心臓が高鳴り、ここはなんとか・・・・と気をもんでいると、なにか安心したかのように、ひらり、ひらりと舞い降りてきたのです。これは逃しませんでした。(♀。8月下旬、埼玉県秩父。以下同。)

 

 

 

 

 

 

●カラムシ(←虫でなく、イラクサ科の草)の葉から飛び立ったちっちゃなカミキリをネットですくうと、中で黒っぽくて地味なのがひっくり返っていました。「いいカミキリだといいな、ラミーだといいのにな。」と愚痴をこぼしつつ虫の体を起こすや (゚○゚)!・・・・ラミーカミキリだっ。

一コマでも多くと撮影しているうちに、虫は飛び去ってしまいました。しかも片手で撮った写真はすべて手ブレ。

幸いまたカラムシのてっぺんで1頭を見つけました。さっきのより小形で片方の触角が切れていますが、こんどは撮影もせずネットイン。この虫とこの草はなにか因果関係でも?・・・・3頭目が飛来したとき手づかみして確信しました。この草と虫に関係あり。

 

*帰宅後に調べたら、虫は中国基産で幕末から明治に、ラミー(←チョコでなく、イラクサ科の草)に混じって長崎あたりに渡来した帰化昆虫で、目下、関東まで分布域をひろげているのだそうです。

 

 

 
すぐそばは廃屋で、ブドウ棚の柱に羽を閉じた真っ黒いタテハチョウが逆さに止まっていました。クジャクチョウだろうかと誘われるように近づいてゆくと、収穫されない棚の下面はスズメバチや甲虫たちが飛び交い、お祭り騒ぎになっていたのです。

写真①キイロスズメバチ(上)と、ヒメスズメバチ(下)。どちらも気性が荒く、牽制しあっています。

アカタテハ。7-8頭ほど。羽の表裏ともにあでやかです。

ルリタテハ。2-3頭。水色の半円紋が鮮明です。

スミナガシ。1頭。かすり模様と赤いベロが特徴。

「どいた、どいた!」でみな大忙し。強さの順位を観察して、図表にしたら楽しいでしょうね。

と、そこへ、まさかの廃屋の主が帰ってきました。「なにか?」と聞かれて、「いろんな虫がたくさんいるんで。」と明るく答えたものの、土足でベンチに上がっていたので納得は得られなかったことでしょう。

 

●昨夜は大気が澄んで、中秋の名月の昇りがみごとでした。夜もまだ顔がほてり、アブラゼミやアオマツムシもやかましくて、ススキを供えるにはなじまない残暑ですが。

 


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