キョウチクトウスズメのこと

1:キョウチクトウスズメ 終令幼虫

これは去年のお話です。市街地で、フェンスに絡む丸坊主のつる植物に足を止めました。直下には大量のイモムシの糞がこぼれ落ちています。下草をかき分けると、スズメガ類の終令幼虫が3頭見つかりました。刺激に反応して胸部の青白い目玉模様を現します。いずれも残りわずかな葉や茎をかじるか、しがみつき、または途方に暮れているようでした。写真で検索すると“キョウチクトウスズメ”が候補に・・・あの、長年図鑑にも載っていなかった幻のスズメガが東京に?ここ、キョウチクトウなんて生えてないのに?

(10月下旬、東京都練馬区)

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2:巣内の蛹、ツルニチニチソウ

翌日、ケータイのトップ画面に北國新聞報「ミスジビロードスズメ」(箱根町)幼虫の写真が。ハッとするも別種。残念の逆で、謎の幼虫がキョウチクの可能性に一歩、またその食草(食樹)がツルニチニチソウの可能性も・・・さてさて二日後に再訪し、幼虫6頭とわずかな葉をカップ麵の空き容器で持ち帰り飼育開始。庭のテイカカズラの葉を与えてみたが口にしてもらえず。それでも、なけなしの葉とキッチンペーパーとを糸でつづり、粗末なテントの巣内で次々と蛹になりました。後日、ツルニチニチソウはホームセンターで安く売っていること、近所でも普通に植栽されていることが分かりました。

(蛹=11月上旬、都内西東京市宅。食樹=12月上旬、同東久留米市)

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3:羽化成虫1号

ほんとにキョウチクトウスズメになった! わりとコンパクト。

(11月下旬、西東京市宅)

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4:羽化成虫5,6号

朝、羽化間もない新成虫を眺めていると、隣では数分前まで蛹だったのがせわしなく歩き回っているではありませんか!まったく蛹や巣から脱出する瞬間たるや、日夜抱いて寝ずんば目撃がかないません。腹部の半分ほどの短翅をまとって必死に止まり場を探したあげく、セットしておいたコルク板に登って静止しました。そこでゆっくりと羽を伸ばしながら手足を動かし口吻を整えたりしています。家人いわく「でも標本になるんでしょ?」 って、このまま冬は越せないし、コルク板が展足板に見えないでもありません。

(12月上旬、同上)


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